刺し子についてのお話 | Vlog Vol.1

少々恥ずかしい気持ちもありながら、「私達が好きな刺し子を知って頂くこと」を目的として、顔を出して刺し子についてご説明を差し上げる動画を作ることにしました。第一回目(Vol.1)は、刺し子とは何か……という簡単な定義と、運針について話をしています。

普段、インスタグラムのSashi.Coアカウントでの配信にて話していることと、ほぼ100%重複します。

何が違うかというと、こちらは英語でお話をしています。配信にて延々と話していることを、まとめ直して英語にてお伝えすることが、この動画シリーズの目的でもあります。「英語の勉強をしたい!」という方から、「英語わからないけど、刺し子について知りたい」という方まで、いろんな方から反応を頂いて、簡単ではありますが、内容の筋書き台本を日本語訳してご紹介します!

(訳は思いっきり意訳……です。間違い等ご指摘頂けたら嬉しいです。ってか、思いを英語で書いてるのと日本語で書いているだけの違いなので、直訳ではありません。)

 

 

Today’s Topic is What is Sashiko and What is not Sashiko

何が刺し子で、何が刺し子じゃないのか

As you may have found this video (article) by searching with a keyword of Sashiko, Japanese Sashiko Stitching is getting popular.

As a Sashiko professional, I occasionally search for the keyword of Sashiko and learn what people are talking about it. Then, I came to realize, there are a lot of discussions out there in defining Sashiko; simply what is Sashiko & What is NOT Sashiko.

In order to be part of this discussion as a Japanese, as well as a Sashiko practitioner, I would need to explain the origin of Sashiko. Then, I will share my “opinion” of What is Sashiko and What is NOT Sashiko.

Well. Long Story Short.
There is no such a thing as Right and Wrong in Sashiko in my opinion.

 

刺し子という単語で検索する人がいるように、日本の刺し子の人気は日に日に高まっています。

刺し子の専門家として、私自身も時々「刺し子」というキーワードで検索をかけて、人々が何を思い、何を語っているのかをチェックするようにしています。そこで発見したのが、「刺し子の定義」に関する議論、つまりは、何が刺し子で何が刺し子じゃないかという議論が、頻繁におこなわれているということです。

「生粋の日本人」として、また「刺し子を日々楽しむものとして」この議論に参加する為には、刺し子の起源をしっかりとご紹介する必要があると思うのです。そこで、刺し子とは何かという私なりの意見をご紹介できると。

 

Origin of Sashiko

刺し子の起源

Let’s talk about the origin.
Sashiko was developed in a poor, undeveloped community in Japan. Those Japanese, who mainly lived in the rural areas, didn’t have enough asset to purchase the new textile. Also, those Japanese didn’t have access to the fine cotton fabric to warm them up.

To overcome the situation like that, they used needle and thread. Sashiko was developed for the purpose of surviving through days, especially in winters, by repairing, mending, strengthening the fabric. It is the deep down origin of Sashiko.

Later on the history, in some regions of Japan, where they had a bit more mind economy, people enjoyed Sashiko for the decorative purpose. However, the Japanese with wealth mainly enjoyed the beautiful Kimonos, so Sashiko was for ordinary people, and there was a purpose of mending, repairing and strengthening the fabric.
Those who enjoyed Sashiko with patterns also didn’t have enough skill to dye out patterns. They used the plain Indigo Fabric, simply because it was the most common fabric available, then stitched the pattern out with the purpose to make fabric stronger with white thread. This is the combination as known as the traditional Sashiko: Indigo & White thread.

Regardless of when in the history, Sashiko existed for the purpose of their life.

Therefore, when I see a handstitched culture with purpose, which can be any purpose, I would be happy to call them Sashiko. In a different culture, in a different location in the world, it may be called differently.

Each community & each location had developed its own culture. Therefore it is a bit thoughtless to say that one type of Sashiko is “right” and the other is “wrong”.

If it is stitched by hand for the purpose, especially with appreciation to what we have, I would definitely call it Sashiko even if the stitches are not even.

 

刺し子の起源について話しましょう。

刺し子は日本の貧しい地域で発展してきました。主に田舎に住んでいた日本人は、新しい布地を買う資産を持っていなかったのです。また、地方であることと、その貧しさ故に、交通も不便で、質のいい綿の布を手に入れることも難しいことでした。

そんな状況でも生き抜くために、日本人が使ったのが針と糸でした。

刺し子は、冬の厳しい時代を、布を直し、補強し、強くし、そして暖かくして生き延びていく、日本人が頼った手仕事です。そこに刺し子の深いルーツがあります。

 

日本の歴史の流れの中で、日本のある地域(時にはある程度裕福な地域)によっては、修飾を目的とした刺し子も発展してきました。しかしながら、本当に豊かな民衆(あるいは地位の高い貴族)は着物(あるいは小袖)を楽しんで居たため、刺し子は「一般的な民衆」の為の手仕事であり、布の補修や補強を何よりもの目的としていたのです。それがデザイン性を目的としてものであっても、補修や補強の目的は常に存在していました。

 

一説には、刺し子を楽しんだ人々には、布を綺麗に染め抜く技術がなかったからとも言われています。

その為、当時は簡単に手に入り、且つ一般的だった藍染布に白い糸を使って様々な幾何学模様を中心とした柄を刺したのです。その名残で、刺し子の伝統的な組み合わせという形で、藍染布と白糸という形が残っているのです。

 

日本の歴史の中で、刺し子は常に「目的を持った針仕事」でした。

その伝統を尊重し、私は、どんな針仕事でも「目的を持った手仕事」であれば、刺し子と呼んでいいのではと思っています。様々な地域が、各々の伝統や守り事を決め、針仕事として後世に伝えてきました。時には違う呼び名もあるかもしれません。どんな形であれ、布を大切にし、布に手で針を通す作業であれば、刺し子と呼んでいいのだと思っています。

だからこそ、刺し子には、「正しい刺し子」も「間違った刺し子」も存在しないのです。手仕事である限り、特に「布を大切にする」手仕事である限り、どんなに針目が揃っていなくても、私は素晴らしい刺し子だと思うのです。

 

About Slow Stitch

スローステッチという言葉について(運針について)

 

Let’s talk about the interesting word, slow-stitch.

I occasionally hear that the people understand there are some rules in Sashiko. Let’s say, the stitch size should be always equal, and the space in between the stitches have to be the certain percentage of the actual stitches. Well, I don’t follow much of these rules.

Because of these rules, the stitching tends to be slow. If I have to be careful with each stitch for the length and spaces in between, yes, I would need to make a stitch one by one. Is this the slow stitch?

Sashiko is SLOW stitch because of it is hand stitched. If I use a sewing machine, I can sew up the things much faster. However, I want to mention that the stitching speed was (and is) a great part of Sashiko.
If the stitching was too slow, the Japanese would have suffered more in the severely cold winter.

Therefore, I advocate that Unshin (運針)needlework is one of the core techniques of Sashiko stitching.

To be honest, for that matter, I would say, the speed was much more important than the actual size of each stitch. Yes, a size of rice grain looks perfect and they say it is the size we aim for, but it is a matter of “result” of running stitch, not measuring stitch by stitch.

 

運針についても少し触れたいと思います。運針が必要ないという方もいるでしょうし。

時々、「刺し子にはルールがある」という言葉を耳にします。例えば、針目の大きさは常に一定にしなければならず、また針目と針目の間の空間の大きさは、針目の2/3でなければならない……といったルールであり、「正しい刺し子」であるための約束事のようなものです。私はルールを作りません。

 

ルールを主張されている方の中には、ゆっくりと針を進められる方もいらっしゃいます。また、その「ゆっくりと針を進めること(スローステッチ)」が、瞑想のような感じで人気が出ているんだなぁとも感じています。私自身も、もし1針1針の大きさをしっかりと守り、また且つその刺さない空間までにも気を払うのであれば、やっぱり針は遅くなってしまうでしょう。ただ、そうじゃなくても綺麗な針目ができる運針を知ってほしいと思うのです。

 

刺し子は「ゆっくりとした針仕事」です。もしミシンを使えば、あっという間にできる針仕事も、手仕事という特徴柄、数時間もかかってしまします。

しかしながら、「手仕事であるからゆっくりでいい」という結論を出してしまうのは、少し浅はかな気がするのです。刺し子において、刺す速さ(運針の速さ)は、とても大きな比重をもっていると考えます。

 

だって……

過酷な冬を生き延びる日本人にとって、針目よりも、圧倒的に大切だったのは「布を布とする」ことだったはずです。そんな、一目の大きさを気にしてたら寒さで死んじゃうかもしれません(笑)だからこそ、運針の素晴らしさと楽しさ、そして運針が刺し子の肝の一つであると常日頃言葉にしているのです。

 

 

So, what is Sashiko?

In my opinion, if you hand-stitch the fabric with a purpose, it is Sashiko. I do not believe that there is the universal rule or regulation for Sashiko. There are, of course, Sashiko techniques and wisdom to make the result more beautiful and attractive. It is your “choice and preference” to learn and choose on, not the rule by someone.

Sashiko is a form (and process) of stitching to appreciate the fabric, and what we have. The purpose of stitching can be anything. Upcycle, Repurpose, Recycle, decorate, and what you can think of your mind.

It was an ordinary needlework for the Japanese. I would like to keep it that way instead of regulating it strictly by implementing the rules.

To learn more about Sashiko, please visit our website, UpcycleStitches.Com. I write stories about Sashiko, introduce the technique and supplies, and much more. Our goal is to share this beautiful technique Sashiko as well as the Japanese mindset behind Sashiko.

Enjoy.

 

刺し子とは何か。

まとめると、「目的を持った(誰かの為の)針仕事&手仕事」であると思っています。

そのため、私自身は刺し子のルールや制限に従うことはありませんし、必要だとも思っていません。ただ、もちろんですが、刺し子を上手に行う為のコツやアドバイスは存在します。ただ、それは決してルールじゃないのです。あくまで、「刺し手が選ぶ選択肢の一つ」であることをご理解頂ければ嬉しいです。誰かのルールではなく、刺し手の好みだと。

 

刺し子は布に感謝をする手仕事です。それはつまり、私達が今持っているものに感謝をして思いを込める作業だと思っています。

針目を綺麗にすることよりも、布に感謝をして、布に思いを重ね、そして誰かのことを「思って」針仕事をすることの方が大切なのだと思っています。針目は大丈夫です。運針ができるようになると、意識しなくても揃ってくるので。

 

*こんな感じの話をインスタグラムでしています。過去の放送はYoutubeにてご覧いただけますので、また参考にして頂けましたら幸いです。

 

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