刺し子において、藍染布はとても重要な役割を果たしてくれています。
深みのある紺色の藍染布に、白い生成りの糸で麻の葉模様を刺繍する。
刺し子といえば、そんなイメージを思い浮かべる人は少なくないはずです。私(淳)自身、前職で刺し子をする際には藍染の布地に麻の葉柄を使った練習をたくさんしましたし、講習の場合も、まずは藍染の布地と麻の葉模様を使っていました。
(*試し刺しではなく作品化に向けた練習の時です)
藍染布は決して安い布ではないし、麻の葉模様も決して簡単な模様ではないのですが、だんだんと蒼くなってくる爪の色とか、糸の長さに気をつけないと終わりには白い糸が真っ青になってしまっているなど、藍染の布と刺し子にはたくさんの思い出と、そして”基本”があるように思っています。
そんな藍染布。
その藍染について、私自身そこまで理解が進んでいる訳ではないので、この機会に勉強を再開してみようと思って、このブログです。
まずはウェブで検索した引用のご紹介から。
江戸時代から続く伝統的な藍染めは、「灰汁醗酵建(あくはっこうだて)」と呼ばれます。 タデアイの葉を100日かけて発酵させて「すくも(染料のもと)」をつくり、それをさらに、藍甕(あいがめ)の中で灰汁(あく)やフスマ、石灰、酒などと共に発酵させ、その液の中で何度も染め重ねるという技法。 四季のある日本で、一年中藍染めができるように考え出された、日本独自の技術です。 この技法で染めるには、気の遠くなるような手間と時間がかかりますし、藍の機嫌をうかがいながら常に調整していくという職人技も必要とされます。
藍染めと発酵 | くらしの良品研究所 | 無印良品
www.muji.net/lab/clothes/140129.html
そうなのです。最後の一文。藍の機嫌を伺いながら常に調整していくという職人技が必要になる、とても大変な、そして難易度の高い作業なのです。そんな職人技を経て出来上がってくる藍染布は、そりゃ貴重な素晴らしいものなのです。
Sashi.Coの恵子も、自分の求める作品の為に草木染めを研究し続けている「染め人」の一人ですが、常日頃「藍染めは難しいし、挑戦するにも気合が入る」と、なかなか自信をもってご紹介&ご提供できるものは染め上げられていません。
いつか、本場の徳島で藍染めをみてみたい。
そして、この大量生産大量消費の時代においても、しっかり「藍」と会話をしながら藍染布を作り上げている職人の方々と、もう一度、ご縁を頂けたらと思うのです。
家業にて勤めていた頃、日々藍の布地の匂いに包まれていました。
あの匂い。懐かしいし、そして昔を思い出してしまって寂しくなるような、僕にとっては特別な匂いです。またあの匂いに囲まれる生活に戻れますように。