2025年に向けての「刺し子な福袋」の販売のお知らせ & 私達の想い。

あっという間に年末…と、この直前の投稿も全く同じ書き出しでした。一年、このウェブサイトの投稿を更新していないんだなと反省の気持ちで一杯です。全く文章にしていないわけじゃないんです。インスタグラムでは定期的に投稿しておりますし(英語の方が多いですが)、個人的な気持ちを書く場所として、NOTEも使うようになりました。お伝えしたいことが沢山あり過ぎて、上手く文章にできていないというのが本音であり、また言い訳でもあります。来年も「できるだけ変わらないこと」を意識しながら、刺し子を大切に続けていこうと思っています。

日本への英語での刺し子ツアー展示会、そしてオフ会(対面井戸端会)を11月に行って、その時に頂いたお声を反映して、今年も「刺し子な福袋」を準備できたこと、大変嬉しく、またありがたく思っています。

年末に福袋を準備する…という目標があるおかげで、毎年「新しい挑戦」を恐れることなく続けることができています。もちろん「継続性と再現性」は念頭におきながら、試行錯誤を繰り返しながら、草木染めの色の安定を求めて、恵子さんは日々頑張ってくれています。今年はログウッドから作り出される紫を挑戦として選びました。均等に染めることがとても難しい色です。少しの油断で油断でムラになってしまう…ムラになるのが避けられないのであれば、ムラを目指して一点ものの糸を作るのもアリではないか…などなど、いろいろ考えながら、今年も福袋に同封する糸を作ることができました。ありがとうございます。

また、今年は、多めに「柿渋染めの刺し子糸」を準備することができました。柿渋染めが大好きな私達。これまで毎年一回、柿渋染めを外注してきました。外注…。これまで様々な草木染めに挑戦してきた恵子さんですが、「柿渋染め」は手間と技術と、あと臭いと…となかなかに挑戦への壁が高く、また同じ岐阜県内でのご縁もあり、若い柿渋染めの職人さんに染色をお願いしています。

これまでもウェブサイトや展示会等で販売してきたのですが、とても人気で、気がつけば在庫がなくなっている刺し子糸の一つです。気楽に「もう一度染めれば大丈夫…」とはできない柿渋染めなので、「売り切れ」の表示がずっと続いてしまう糸でもあります。2024年は少し多めに作り、福袋の一つとして、できるだけ値段を抑えて提供してみようという相談から始まり、準備を経て、こうして形にすることができました。こちらは年に一度の柿渋染めの刺し子糸なので、どうしても販売数に上限が出てしまう点だけ、ご容赦頂けましたら幸いです。柿渋糸5色セットが、今回の福袋の一つ(刺し子な福袋2025 – ②)です。

 

もっと気軽に。もっと遊んで。

2024年の11月、二回目の刺し子の展示会を開催することができました(英語での日本刺し子ツアーとオフ会との同時開催)。これまでの運針会でご縁を頂いている方々を中心にオフ会を開催することができ、また私達の刺し子に興味を持って下さった方々とのご縁も頂くことができました。そんな素敵な時間の中で頂いたお声を、早速今年の福袋に反映させてみました。(実は同様のものを、ある企画の一つとして考えていて、ある程度の準備はしていたので形になった福袋ではあるのですが)。

刺し子の風呂敷は楽しいけれど、やっぱり大きくて敷居が高い感じもするし、気楽に挑戦するというには値段も張ってしまうから、小さめの風呂敷で刺し子を楽しんで頂いたらどうか。つまり、刺し子の風呂敷を、「もっと気軽に。もっと遊んで。」頂きたいというのが今回の願いです。

昨年の福袋では、「布に柄を準備すること。私達が使っている藍染布に刺し子をしてみて頂くこと」をテーマとしました。今回の福袋は、「刺し子をした後に使って頂くこと」も、一つの願いとして込めています。

気軽に使って。自由に楽しんで。

福袋の主役となる「風呂敷」は、尺三巾風呂敷(小風呂敷ともいうらしい)で、サイズは約51cm x 51cmのものです。すぐに使えるように仕立てをしてありますが、布そのものは無地です。柄を直接描いて準備するもよし、マイラー用紙や転写紙を使って準備するもよし、何も準備せずにフリーハンドで刺し子をするのも良し、絵を書いて刺し子をしてみるのも良し…。その50cm角における布の上で、自由に針と糸と戯れてほしい…という願いが込められています。

「藍染布に白い糸で、伝統的な幾何学模様」という組み合わせが、私達の刺し子の大半なので、見方によっては、「規律や決め事がある」と堅苦しく見られてしまうことがあります。確かに「綺麗に見せる方法」や「楽しく刺し子を続ける方法」といった、ある程度の「型」は存在しますが、それは決してルールでもなければ守らなければいけない規則でもありません。恵子さんに至っては、誰よりも「気楽に」、「自由に」刺し子を楽しんでいる一人だろうと思います。「刺し子はこうでなきゃいけない」という固定概念は人それぞれに、多少は存在するかと思いますが、それを少し乗り越える51cm角になってもらえれば嬉しいです。

** ちなみにですが、私(淳)が「藍染布に白い糸で、伝統的な幾何学模様」という刺し子を執拗に続ける理由は、ただ単純に「一番心地良いから」です。逆に言えば、「上記の藍色、白い糸、幾何学模様」以外の刺し子は、少し居心地が悪い…というか、ちょっと元気がいるのです。例えるなら、「藍染布に白い糸で、伝統的な幾何学模様」は、日本人にとっての「白いご飯とお味噌汁」みたいなものでしょうか。パンも美味しいし、高価なレストランでのコース料理も素晴らしいのだけれど、ずーっと続くと元気がいる…というか、ほっとしたい時に食べるものは、結果的に「白いご飯とお味噌汁」だったりすると思うのです。これは私が幼少期から「藍染布に白い糸で、伝統的な幾何学模様」という刺し子とずっと一緒に時間を過ごしてきたことに理由があるかと思います。一番落ち着くんですよね。おにぎりの具材は、唐揚げとかいろいろあって良いのだけど、やっぱりなんだかんだで「梅干し」じゃね?という感じです。


こちらの「刺し子な福袋2025-①」には、無地&仕立て済みの藍染布と一緒に、二種類の刺し子糸を同封します。一つは今年から登場した「黒い刺し子糸」です。長年、海外を中心に希望を頂いていた「黒い刺し子糸」なのですが、ようやく今年、形にすることができました。販売を開始したのが数週間前なので、まだお手元にない人が大半だと思って、今年の糸とさせて貰っています。ただ、もう黒い糸が手元にある方もいらっしゃるでしょうし、藍染布に黒い糸で刺してもあまり目立たないので(逆にそれが好みの方もいらっしゃるとは思いますが)、通常の15色の色内からお選び頂く形で、糸は変更できますので、ご注文の際に備考欄にてお知らせください。何もお知らせがない場合は、黒い刺し子糸を同封します。

また、上記でご紹介した、今年の草木染め糸(ログウッドの紫)はこちらに同封します。カセを纏めて大量に販売する程の在庫がないので、福袋の在庫の流れを見ながら、余裕がありそうであれば単品でご購入頂けるようにする予定です(単品で追加注文をご希望の場合は、その旨を備考欄にお書き下さい。発送は遅れてしまいますが、送料無料で追加できるように手配します。在庫がなくなり、単品販売ができそうにない場合は、ご容赦ください)。

今年から追加の「ステッカー」

福袋…ではないのですが、@kcat_1126 さんのイラストで、「刺し子猫」のステッカーを2024年に作りました。最初は「キルトコン(QUilTCON)」 で、多くのキルターの方が名刺代わりにステッカーを交換しているのを見て真似しようと思って作った一枚なのですが、なかなか評判が良いのと、何より可愛いので、日本帰国に合わせてステッカーを3枚追加で作りました。日本でのオフ会で好評だったこともあり、福袋の販売期間限定として販売いたします。

以下、注意点がございますので一読下さい。

  • 無地の小風呂敷が入った「刺し子な福袋①」には、ランダムで1枚、ステッカーが同封されます。柿渋糸のセットには同封されません。
  • 東京で行われたオフ会(夕方5時からの食事付きのオフ会)に参加して下さって、こちらのステッカーをご希望の方は、備考欄に「ステッカー希望」とお書きいただければ

本年も大変お世話になりました。来年も引き続き、どうぞよろしくお願いいたします!

二ツ谷恵子

二ツ谷淳

(無地の子風呂敷と今年の新作の刺し子糸のセット)


(柿渋染め刺し子糸5色セット)

 

 

 


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